「風立ちぬ」は同映画祭コンペティション部門に出品。1日夜の公式上映に先立つ記者会見で星野社長が「ベネチアには過去に何度も招待していただいた。世界に大変友人の多い宮崎駿に関しての発表をこの場でさせていただきます」と切り出した後、「宮崎駿監督は引退することを決めました」と述べた。宮崎監督は今回の映画祭に出席していなかった。
　「風立ちぬ」は宮崎監督の五年ぶりの新作で零式艦上戦闘機（ゼロ戦）の設計者の半生を基にしたフィクション。作品は7月20日に公開され配給元の東宝によると、公開から37日間で640万人を動員、興行収入は八十億円を超えた。
　宮崎監督は1979年「ルパン三世　カリオストロの城」で劇場映画監督デビューし「千と千尋の神隠し」でベルリン国際映画祭金熊賞や米アカデミー賞長編アニメ賞を受賞した。ほかの作品に「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」などがある。宮崎監督はこれまで関係者らに引退をほのめかしながら新作の発表を続けてきた。