動画サイト「ユーチューブ」に投稿された映像は6本で計約44分。
中国漁船が海保の巡視船「よなくに」と「みずき」に衝突する生々しい様子のほか、違法操業していたとみられる漁船が網を巻き上げるシーンなどが写っている。
映像を見た海保幹部は「本物の可能性が高い」としている。

海保によると、事件があった9月7日、巡視船四隻から複数のビデオカメラで中国漁船の一連の行為を撮影しており、撮影時間は数時間に及ぶ。
映像は、公務執行妨害事件の証拠品として那覇地検に提出され、そのコピーを石垣海上保安部も金庫で保管している。

映像の一部は事件発生当初、東京・霞が関の海上保安庁にも電送。
複数のＤＶＤなどにコピーされたが、船長釈放後の10月、散逸を防ぐため廃棄処分されていた。
このため、海保関係者は「映像は現時点では、検察庁と石垣海保以外にはない」としている。

海保の鈴木久泰長官は、この日午前の衆院外務委員会で、石垣海保に職員を派遣することを明らかにした。

衝突事件のビデオをめぐっては、衆院予算委員会が国政調査権に基づいて10月13日に提出を求める議決を行い、那覇地検が10月27日に提出した。
衆参予算委員会の理事ら国会議員約30人は1日、衝突シーンを中心に編集された計6分50秒の映像を視聴した。自民党は映像の全面開示を求めていた。